会頭挨拶

第119回日本皮膚科学会総会
大会テーマ「つなぐ」

会頭 天谷雅行

会頭 天谷雅行
(慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 教授)

この度、2020年6月4日〜7日の日程で、国立京都国際会館において第119回日本皮膚科学会総会を会頭として開催させていただくこととなりました。また、2020年に、慶應義塾大学医学部皮膚科学教室は、開設100年を迎えます。教室の大きな節目の年に、日本皮膚科学会総会を担当させていただく巡り合わせに、感謝しております。

学会のテーマは「つなぐ」です。35年以上、皮膚科医として、研究者として過ごしてきて、大切な言葉をひとつあげるとすると、「次世代につなぐ」ことです。そして、「つなぐ」次世代が存在することにも感謝します。「つながる」ことを実感することで、我々の世代も元気をもらえます。また、異分野を「つなぐ」ことで新しい分野が生まれ、活躍の場ができます。世代をつなぐ、分野をつなぐ、人をつなぐ、組織をつなぐことの大切さをつくづく感じています。皮膚という臓器も、厳しい環境の外界とデリケートな体の中を「つなぐ」存在で、そこで起こる様々な現象が皮膚科学の対象となっています。総会のポスターでは、書家の川尾朋子さんが書いていただいた「つなぐ」に、色彩作家の内藤麻美子さんが皮膚の構造をイメージした色をつけていただきました。

学会プログラム委員会により継続的なプログラム構成が提案され,会期を4日間とする、プレナリーセッションを充実させる、少なくとも一つの英語セッションが会期中にある、教育講演の一部を公募としテーマの流動性を促すなど、第118回総会の構成を継承しております。

特別講演としては、魅力的な講演者にいらしていただけることになりました。2018年度ノーベル生理学・医学賞を受賞された京都大学の本庶 佑先生をお招きいたします。Smart Skinの開発を手がけている東京大学工学系研究科 染谷隆夫先生、バイオイメージングの第一人者として理化学研究所の宮脇敦史先生には、皮膚科領域外の最前線に関してお話しいただきます。今年の土肥記念国際交換講座は、ハイデルベルク大学のAlexander Enk先生です。世界中に皮膚科学のリーダーを育成されたSteve I. Katz先生を偲び、追悼特別講演を企画し、ウイーン大学のGeorg Stingl先生、ペンシルバニア大学のJohn R. Stanley先生、日本女性史を専門とするノースウェスタン大学のAmy Stanley先生にご講演いただきます。フランスの最高勲章であるレジオン・ドヌール勲章を2019年受章されたルーアン大学のPascal Joly先生に、天疱瘡の治療最前線に関して解説いただきます。

AIをはじめとして近未来情報社会がどうなるか、国際文化会館理事長、元Twitter Japan代表取締役会長の近藤正晃ジェームス先生と慶應義塾大学の宮田裕章先生に対話形式の講演をしていただきます。皮膚科国際誌のEditorが集まるEditor's clubでは、J Invest DermatolのMark Udey先生、JAMA DermatolのKanade Shinkai先生、JEADVのJohannes Ring先生、教科書Fitzpatrick’s DermatologyのSewon Kang先生に情報発信していただきます。また、中国、韓国、台湾、シンガポール、オーストラリア、香港のアジア・オセアニア各国の皮膚科学会代表者による新しいセッションも企画しております。その他に、50前後の教育講演、AIに関するAMED協賛シンポジウム、日本動脈硬化学会共同シンポジウム、市民公開講座など、多彩な企画が数多く準備されています。

文化人講演としては、JAXA・はやぶさプロジェクトマネージャーの川口淳一郎さん、歴史学者の磯田道史さんに来て頂きます。また、戸倉新樹先生が代表を務めるDermato-Orchestra and Chorusがベートーベン交響曲第9番を合唱付きを披露いたします。京都国際会館開設以来、第九が演奏されるのは初めてのことです。

会期は、東京オリンピック・パラリンピックを翌月に控え、日本中が緊張と興奮の中にいる時期でもあると思います。そのような特別な時期に、会員の皆様が刺激的で充実した時間を持ち、楽しんで頂けるよう慶應義塾大学医学部皮膚科学教室、同窓会、学会事務局一同、精一杯準備させて頂きます。多くの皆様に京都でお会いできるのを楽しみにしております。